「リニア試乗会で時速500キロを体感2/3」からの続き
さぁ、いよいよリニア新幹線に乗り込みます。
JR東海からの説明や質問コーナーの後、順番に車両に案内されて行きます。
プラットホームに行くまでの間、なにやら見覚えのある景色。
これから飛行機に乗るかのような通路ですよね。飛行機を待つ、あのワクワク感を思い出しました。
乗り込んで指定されたシートに座り、出発を待ちます。窓は飛行機と同じくらいの大きさで、なおかつ頑丈そう。
シートはリクライニング可能。頭の部分にはノイズキャンセリングのガードを置く予定とのことでした。車両内は通常の新幹線と同じくらいの広さですが、やや天井が低めでしょうか、荷棚に頭がすぐつきました。天井付近には吸音材のスポンジが敷き詰めてあり、触るとフワフワしていました。
そして出発しました。全部で42.8kmの距離を約2往復します。場所で言うと、山梨県上野原市から笛吹市までの42.8km。フルマラソンより少し長い。コースは天井のモニターに表示されます。
走り始めから時速150キロになるまではタイヤ走行、時速150キロに達するとタイヤを収納して浮上走行に入ります。その浮上走行に入った瞬間、まるで飛行機が離陸したときのようなふわっとした感じがありました。
スピードはどんどん上昇していきます。あっという間に時速200キロ、300キロと上がっていきます。時速が上がっていっても騒音が酷くなったり、揺れが酷くなったり、と言うことは一切ありません。本当に静かで、これなら本を読んだりできそうですし、乗り物酔いに悩むお子さんも最小限にすみそうです。
モニターの速度計を見つめ続けること数十秒、遂に時速500キロに到達!
時速500キロに到達した瞬間、歓声と拍手が沸き起こりました。
流れる景色は殆ど早すぎて見えません。遠くの山は見えますが、手前側は殆どわかりません。モニターに映っていたトンネルは、ライトとライトの感覚が12mあるそうなのですが、ほぼ繋がって見えます。それだけ早くて動体視力が追いついていないと言うことなんでしょうか。
時速500キロの世界を数十秒体験した後、リニア新幹線は減速を始めました。徐々にスピードを落としていき、タイヤ走行に切り替わる150キロになった瞬間、今度は「ガタン!」と音がしました。走行始めの「フワッ!」に比べると、少し衝撃があります。今度はまさに、飛行機の着陸した感覚です。ハシモトさんの説明だと、「そのうち慣れます。」とのことでした。慣れるくらいたくさん乗りたいなぁ。
今回私が試乗したL0系、ノーズ部分だけで15mもあるとのことです。空気抵抗を最小限にするために改良に改良を重ねてこの長さになったんですね。楽しかったのはもちろんなんですが、同時にエンジニアさんは本当に凄いなぁと思った一日でした。
リニア中央新幹線の開業は2027年予定。7年後、日本の交通インフラがどうなっているのか楽しみです。